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横須賀で店を開くには 【起業する場所選びと地域の土地柄 横須賀中央編】

移住と起業

横須賀の中心で店を出そう!起業しよう!でもどこで?

起業や出店が始めての方、土地勘がない方向けの横須賀の地域別土地柄紹介です。一口に横須賀といっても地域差がかなりあり、風土も異なります。

どんな場所にどんな客層が来ているか、周囲の雰囲気はどんな様子か、そいった観点からの横須賀を御紹介致します。コレから出店や起業を企画されている方の一助になればと思います。

 

今回は、まず最初にあげるべき土地、横須賀中央周辺についてです。

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【横須賀中央〜汐入間 主要地域】

・上町

・下町 (若松町、米が浜通り地区)(三笠通り、千日通り地区)

・ドブ板通り

・その他

 

ではまず上町地域をみていきましょう。

 

【上町地区】

この地域は京急横須賀中央駅西口改札を出て、平坂という坂道を登り始めた途中から始まります。目安としてはお花屋さんの「花う」さんより上の地域が上町の目安と言えます。

ちなみに「花う」さんは130年以上も続く老舗のフラワーショップ・生花店です。上町にはこのように代々続く老舗のお店があります。店舗は大きくはありませんが、生活に密着した地域の銘店が歴史を作ってきた土地柄です。

茶店や表具店、祭り用具、三味線等の和楽器店、青果店、お米屋さんなどが代々営業されています。

 

 

三味線の老舗、店舗も素敵

 

祭り用品店

 

 

また、一方では坂の上という土地柄もあって駅周辺の下町よりも家賃相場が安いようです。そのことから若い人の出店するお店も増えており、新旧が程よく入り交じった幅広い客層の訪れる地域となっています。

 

商店街は幾つかに別れて存在しますが、年に数度連合会としてイベントが組まれています。有名なところでは春の桜に合わせて中央公園で行われる「桜祭り」や夏の「灯籠祭り」がメジャーです。

過去には銭湯を使ったライブイベントや、コスプレーヤーを呼んでお祭りを盛り上げるなど、老舗と若者の融合が上手に進んでいる地域と言えます。

 

若手の起業としては、すでに十年以上の営業を続けている「Cafe Bar ココロ」を筆頭に隣接する「Cafe Salon Slo☆Gans」、同じ並びには数軒のアンティークショップやビンテージショップがあります。

カフェは「ベーグルカフェ nico」や「Cafe RRROOM」など上町界隈では六軒程度。古本屋さん等のブックショップ関連が「Book Shop Amis」(エイミス)を皮切りに三件ほどあります。

 

中里商店街にあるオシャレでグッド・チョイスな古書店Amis(アミスではなく、エイミス)上町で一番良心的なブックショップ▼

 

少し奥まった池之端商店街を進めば若い人にも絶大な指示を得るサイクリングショップもあります。歴史のある渡辺園茶店では古道具の取り扱いもあり、センス良くアンティーク品が並べられています。

 

また、上町には前出のブックショップ以外に中央図書館があり横須賀中央地域の知的指数を上げています。

 

全体としては落ち着いた雰囲気の昔ながらの商店街気質を残した地区といえるでしょう。

 

居酒屋さんや焼鳥店、BARも所々に点在するので夜の楽しみもほどほどに満喫できますが、どんちゃん騒ぎをする飲屋街という雰囲気とは趣向を異にします。

特筆事項としては日曜休みの店が昼夜ともに多く、日曜は閑散としています。また、平日でも飲食店以外は夜八時以降は閉店する店舗が殆どです。

坂を上り切ってしまえば一通りの用を足せる店舗が揃っているので、地域としての生活はしやすく、子供連れの家族世帯もよく見かけます。

少し奥まって目立ちませんが、中核規模の「横須賀市立うわまち病院」があります。病床は417床です。又、三年制の医療専門学校である「横須賀市立看護学校」が2016年に新設され、こちらは約120名の生徒が勉学に勤しんでいます。

 

 

 

上町地区これからの展望:さらに多くの若者が出店や起業を実施すれば継続して楽しい商店街が運営されていく地盤はしっかりとある。

若い世代の出店へ向けて、土地所有者の先見的な経営努力も期待したいところ。

旧・税務署跡地の再開発が待たれます。

実情としては住居付きの店舗兼住宅でも安ければ7万円程度〜15万程度で物件を探すことが可能なようです。

地域密着型店舗が多いので、カフェやBAR、八百屋さんに通えばお得な情報やディープなインフォメーション、物件情報が得られるでしょう。数軒ある不動産屋さんも覗いてみると良いかも知れません。著名なところでは叶不動産が商店街にあります。

 

では、次に下町です。

 

 

【下町地区】

まず最初は 「若松町、米が浜通り地区 」

ここは京急横須賀中央から立体歩道橋を渡った右手に広がる地域です。

駅からほど近い裏手に細い路地が続き「若松マーケット」と呼ばれる飲屋街があります。手前には割りと大きな資本のチェーン系居酒屋もありますが、奥へ行くほど路地は細く、迷路のようになっていき店舗は小ぢんまりと狭小になります。マーケットの内部は隣接した五坪程度の店がひしめいています。

 

 

若松マーケットの小さな狭小飲食店街▼

 

昔ながらの氷屋さんがあったり、古本屋さん(現在は不定期営業?)もありますが、多いのは赤提灯系の居酒屋とスナック。少し怪しい雰囲気で一見さんでは入り難い店舗も多いです。

そういった土地柄なので若松マーケットの内部周辺は夜の店がメイン。

水商売や飲食以外だと洋服の御直し店、政治家の事務所、マーッサージ店、金融業がちらほらある程度です。

やはり夜がメインの土地柄ですので若松マーケット内部の業種は今の所限られています。逆にいえば新しいビジネスチャンスがないとも言えない場所ではあります。

一方で若松マーケットを囲む外側の一般道に面した地域と、それに続く米が浜通りにはカメラの現像をするプリントショップ、パン屋さん、着物屋さん、雑貨店、コンビニ、食材店、お花屋さん、仏具店など業態も様々。

この米が浜通の中程には「横須賀共済病院」があります。

こちらの病院は病床が747床、職員数は1400名、一日の外来患者数は1800名、入院患者数は680名程度の中核病院となっています。

横須賀中央近辺では一番大きな病院のひとつです。

その需要を見込んで、米が浜通には中規模の飲食店やお花屋さん、喫茶店などがあります。夜は居酒屋やスナック、BARなどが多数営業しています。

 

若松マーケットの五坪程度の狭小店舗は運が良ければ四〜五万円程度で借入が可能な物件もあります。出ものによっては二階部分であれば三万五千円で借りたという例もあります。

上手に調査すれば安価に出店も可能な地域と言えます。しかし、昼間の人通りの少なさや怪しい雰囲気などをプラスに使える経営戦略が必要な土地とも言えます。内側の地域と通りに面した外側の地域、そして米が浜通りと、それぞれに様子が異なるので、昼と夜の顔を必ずチェックするべき土地です。

 

若松町 今後の展望:歌舞伎町のゴールデン街の縮小版と捉えることの出来る昭和な雰囲気を残した飲屋街。この特色を活かして、より迷宮度合いを増す方向へ進めば、アトラクション的な楽しみの出来る希有な地域になれる場所です。そのためには怪しさを程よくのこし、整備はほどほどで人間臭のする場所を作る起業家が、この先に求められるのではないでしょうか。

軒先に幾つも赤提灯の揺れる景色は横須賀でも数少ない雰囲気となって来ました。

 

 

【三笠通り・千日通り】

日本で最も古いアーケード型商店街である三笠通りは、横須賀中央でも屈指の高額物件地帯です。

最近では余りに高い家賃のため、地主自らが営業する以外は個人店の新規参入は難しくなっています。実際最近では携帯ショップや牛丼店、ブックOFFなどのチェーン店や大資本の店舗が増え、商店街という雰囲気は薄くなってきています。

それでも古くから商いをしている八百屋さんや刃物屋さん、電気店など数軒は健在です。

 

人通りは確かに多く、雨の日でも濡れずに買い物できることから賑わいを感じることもあります。ただし、個人事業者の眼からみると、昔ながらの商店街としての面白みは年々減っているように感じます。

 

三笠通り今後の展開:個人経営としてはよほどの資金と経営能力がないと新規参入からの継続は難しい土地となっています。現在では携帯ショップやチェーン店が頼みの綱といった面白みにかける商店街になっているので、一層のこと携帯街や電脳街になってしまえれば、それはそれでミニ秋葉原のような魅力のある通りになる可能性はあるのではないでしょうか。

 

千日通り界隈

こちらは昼間から営業をはじめる中規模の居酒屋がひしめき、パチンコ屋さんがあり、ネイルサロンがあり、裏通りにはキャバクラやスナック、飲食店が混在する騒々しい通りです。

ドブ板通りが米兵なら、こちらは日本の自衛隊員やサラリーマンを相手にした飲食店がしのぎを削る地域です。

近隣の細道には老舗の鰻屋さんから寿司店、中華、ビールBARなど一通りの飲食店が揃っています。

その他には安売り大手のピカソや地元の著名な酒店「酒のデパート・ヒトモト酒店」、デパートの「さいか屋」、美容院、ネイルサロン、マッサージ店、銀行、証券会社等の金融機関があります。また、隣接する高層マンションの低層階には洋品店、コンビニ、カフェなどの複合店舗が入っています。

 

千日通り今後の展開:家賃の高く空きの出にくい路面店よりも、二階や三階といった店舗にチャンスはありそう。横須賀のデパート「さいか屋」が縮小するなど下火感があったが、2015年に竣工した38階建てのタワーマンションは完売しており、その成長とともに再活性化が望まれる地域でもある。

物販の小売店が減り、飲食店のみが目立って来ているので、パンチがあって起爆剤となるようなカリスマ性のある企業の出現が待望される。

 

 

 

 

【ドブ板通り】

近年は観光でも著名になりつつあるドブ板通りを見てみましょう。

 

ドブ板とは通称で、横須賀市本町地区にある一角を指します。その昔、ドブ川だった場所にフタをして商いを始めたことから、地元民の間ではドブ板の愛称で呼ばれ、それが商店街名として定着して行きました。

この地域と切っても切り離せない事項は、「米軍」の存在です。これはアメリカ軍のネイビー基地が目の前にある為です。そして歴史的にみてもこの界隈は戦後から米兵を相手に商売をしてきた経緯があります。

現在でも夜の街は米軍の兵士たちで賑わう日があり、米軍の状態に非常に左右される店舗が多いのが特徴です。

米兵相手に商売を営む店の場合は、彼らはネイビー(海軍)なので、船が出港してしまうと兵士が激減します。また、特殊な場合としては「米兵が基地外で問題を起こした場合」というのがあります。

これは横須賀で起きた事件に限らず、沖縄など遠方の米軍兵士が起こした事件であってもその余波を受けます。沖縄で婦女暴行などの事件が起きると、横須賀の兵士たちも夜間の外出禁止令が敷かれる場合があるということです。

そうなると、米兵をメイン顧客にしている起業は閑古鳥が鳴くことになるのです。

実際2013年には米兵の不祥事がら外出禁止令や飲酒禁止令が敷かれました。その際は多くの店舗で売上が半減し、営業に大幅な支障がかなり出ているということで、ドブ板店主の有志が集まり市に窮状を訴えました。

 

一方で、最近では米兵ではなく地元民や観光客を相手にした店舗も増えています。そういった場所ではアメリカ軍の動向に、そこまで左右されることなく営業をしています。

 

ただし、ドブ板界隈では米兵以外を相手に店舗の営業を始めれば、アメリカの動向に一切関係なく商売ができるかというとそうでもありません。

とくにメイン通りは事件がなくとも昼夜を問わず、アメリカの憲兵(MP)が通りを巡回する場所ですし、基地に関係した海外からの方が多数訪れる地域です。米軍への賛否や受ける影響の善悪に関わらず、全く干渉を受けずに過ごすのは難しい地域かもしれません。日常的に米ドルを使える店舗も多数存在しています。

 

 

 

 

この地域の特徴としては、平日の昼間は人通りが少なく、米兵相手のBARは軒並みシャッターがしまっています。一番賑わうのは米軍の船が多数寄港している 週末の夜です。その際は行き交う人々が日本人よりも米軍関係者が多くなり、まるで日本ではない雰囲気になります。また、その異国情緒を目当てに市外から訪れる人がいるのも事実です。

 

ドブ板通りの外れ、坂道を上がった場所に「聖ヨゼフ病院」があります。こちらは一般病床135床の歴史ある病院で、カーブした建物に威厳があり独特の雰囲気があります。

 

ドブ板通り今後の展望:最近の飲食店の傾向としては、週末に観光客を相手にネイビーバーガーや海軍カレーを販売し、観光客のいない平日は地元民と米兵相手の昔ながらの営業スタイルという店舗が増えているように感じます。

市の政策も軍の街として軍港巡りや記念艦三笠のある三笠公園に観光の力を入れているので、この方面に関しては引き続き行政としても各種の展開が予想される場所です。観光客の中にはアニメやゲーム(艦隊コレクション、ハイフリート・スクール)由来の土地として訪れる方が多いのも特徴の一つです。

近い将来に軍を取り除くことが望めない以上は、否応なくその路線を意識した営業方針が必要な土地と言えるかもしれません。

現在でも人気な地域の一つであるため空き店舗は余り多くはない様ですが、時折の出もの物件に当たれば賃貸も可能です。一本裏通りや、外れた地域では家賃が安くなり、一桁代で賃貸契約の出来る店舗もありますが、基本的には狭くても十万円を越えた高額物件が多いようです。

また規模の大小に関わらず、戦後からは音楽に力を入れた店舗が多いのもドブ板ならでは。その辺りに光りをあてた経営も根強く定着しています。

 

 

【その他の中央地域】

他の細かな場所としては三笠公園や猿島渡船場のある小川町界隈も土日の人出は多いです。特に夏期は県外からもBBQ客が無人島を目当てに訪れるなど観光需要のある場所です。

ただし、店舗物件が少ないのと、所々に点在しているため今ひとつまとまった地域としての営業力がないのが欠点でしょうか。それでも老舗の喫茶店や古着屋さん、洋品店、水道関係の組合、音響系の企業といった事務所もあり、業態によっては利用価値のある場所といえます。

 

汐入駅周辺は、ドブ板やショッピングセンターに隣接する場所です。駅からほど近い場所に個性的な物件があります。

新進のデザイン・オフィスや、2014年には「TSUKIMOTO」というオシャレな雑貨や洋服を扱った若手の新店舗ができるなど新しい光りを感じる地域となっています。

また、山側の地域には高齢化で過疎化が進んでいる地帯が多数あり、車では行けないなど、アクセスは悪いですが家賃のかなり安い物件や古民家等を見つけることが出来ます。

個性的な実店舗や隠れたギャラリー、又は一風変わった事務所としての利用を検討しても良いと思います。

近隣にはJR横須賀駅もありますが、やはり横須賀中央に比べると人の流れが緩やかなので、名前を売り、定着するまでの営業努力は必須。

 

【まとめ】

このように、横須賀中央を取り上げただけでも各種の地域差が現れてきます。歴史もあり、高低差もあり、入り組んだ土地柄と人間関係が濃いゆえに雰囲気がガラッと変わるのが横須賀なのです。

まずは一度訪れて、それぞれの地域差を肌身で感じることが重要だと思います。ある一店舗の常連さんや御得意客になると様々な繫がりを作ることができ、有益な情報を得易くなります。「気に入ったら皆に紹介する」横須賀はそういった人情味の溢れる土地柄でもあります。

 

*公平な目線になるよう注力致しておりますが、紹介した土地柄等の感想は取材した個人の感想を多分に含みます。

また、地域名は便宜上分かり易くするために敢えて住所表記ではなく、通り名や商店街名、省略名等になっています。詳細は地図等で正式な区分や町名を御確認下さい。例:上町地区で紹介した店舗には住所的には深田台であるお店等を含みます。

 

 

 

 

 

 

 

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